コンテンツKPI改善ラボ

Webマーケター初心者向け:コンテンツタイプ(ブログ、LP、動画)別KPI設定入門

Tags: コンテンツマーケティング, KPI設定, ブログKPI, LPKPI, 動画KPI

はじめに

コンテンツマーケティングに取り組む中で、「作成したコンテンツがどの程度成果に貢献しているのか分からない」といった課題に直面しているWebマーケターの方は多いのではないでしょうか。コンテンツの効果を適切に測定し、改善に繋げるためには、KPI(重要業績評価指標)の設定が不可欠です。

しかし、コンテンツと一口に言っても、ブログ記事、ランディングページ(LP)、動画コンテンツなど、その種類は多岐にわたります。それぞれのコンテンツは目的や役割が異なるため、一律のKPIでは適切に評価できません。どのコンテンツで何を測るべきか迷ってしまうこともあるかもしれません。

この記事では、コンテンツマーケティングの初心者担当者向けに、主要なコンテンツタイプであるブログ記事、LP、動画に焦点を当て、それぞれの目的達成度を測るために見るべきKPIとその考え方について解説します。この記事を読むことで、ご自身の担当するコンテンツの効果を測り、改善に繋げるための具体的なヒントを得られるはずです。

なぜコンテンツタイプ別にKPIを考える必要があるのか

コンテンツタイプによってKPIを変える必要があるのは、それぞれのコンテンツが持つ「目的」やユーザーにとっての「役割」が異なるためです。

例えば、ブログ記事の主な目的は、特定のテーマに関する情報提供や課題解決、集客(認知・興味関心層の獲得)であることが多いでしょう。一方、LPの主な目的は、商品購入や問い合わせ、資料請求といった具体的なコンバージョン(成果)の獲得です。動画コンテンツも、認知向上、サービスの理解促進、エンゲージメント獲得など、多様な目的で活用されます。

このように目的が異なれば、当然、その目的が達成されているかどうかの指標も変わってきます。ブログ記事の評価をLPのコンバージョン率だけで判断することはできませんし、LPの効果をPV数だけで測ることも適切ではありません。

各コンテンツタイプが持つ特性と目的を理解した上で、それに合致したKPIを設定することが、効果的なコンテンツ運用と改善の第一歩となります。

主要コンテンツタイプ別のKPI設定と考え方

ここでは、代表的なコンテンツタイプであるブログ記事、LP、動画について、それぞれのKPI設定の考え方と具体的な指標例をご紹介します。

ブログ記事のKPI

ブログ記事は、ユーザーの検索行動や情報収集ニーズに応え、サイトへの集客やエンゲージメントを高める役割を担うことが多いコンテンツです。目的としては、「認知向上」「興味関心層の獲得」「サイト滞在時間の向上」「リピート訪問の促進」などが挙げられます。

見るべきKPIの例:

これらのKPIを組み合わせて見ることで、「多くの人に見られているか(PV、検索順位、検索流入数)」「内容がしっかり読まれているか(セッション時間、スクロール率)」「ユーザーの興味を引きつけ、次の行動を促せているか(直帰率、内部リンククリック数、ソーシャルシェア数)」といった多角的な視点からブログ記事の成果を評価できます。

LP(ランディングページ)のKPI

LPは、特定の目標(コンバージョン)達成に特化したページです。広告や他の流入元からのユーザーを、問い合わせや資料請求、商品購入といった具体的な行動に誘導することを最大の目的とします。

見るべきKPIの例:

LPの効果測定では、特にCVRを最重要視しつつ、セッション数で集客効果を、離脱率やCTAクリック率、フォーム完了率でページ内の課題を見つけ出す、といった視点でKPIを活用します。

動画コンテンツのKPI

動画コンテンツは、視覚と聴覚に訴えかけることで、サービスの魅力や利用方法を分かりやすく伝えたり、ブランドイメージを構築したりするのに効果的です。目的は、認知向上、理解促進、エンゲージメント、Webサイトへの誘導、コンバージョン貢献など多岐にわたります。

見るべきKPIの例:

動画コンテンツのKPIは、プラットフォーム(YouTube、自社サイト、SNSなど)によって取得できるデータが異なります。視聴維持率を見ることで、動画の長さや構成の妥当性を判断したり、どの部分がスキップされているか、離脱されているかといった具体的な課題発見に繋げたりすることができます。

コンテンツタイプ別のKPIを組み合わせる

ここまで各コンテンツタイプ別のKPIを見てきましたが、実際にはこれらのコンテンツは相互に関連し合っています。例えば、ブログ記事からLPへユーザーを誘導したり、LPにサービスの紹介動画を埋め込んだりすることが一般的です。

そのため、個別のコンテンツのKPIだけでなく、異なるコンテンツタイプを連携させた際のユーザー行動も追跡し、分析することが重要です。

Google Analyticsなどのツールを活用することで、これらのユーザー経路を可視化し、コンテンツ間の連携がどの程度効果を発揮しているかを測定できます。

まとめ:KPI設定と改善のステップ

この記事では、コンテンツタイプ別のKPI設定の考え方について解説しました。最後に、コンテンツマーケティング初心者がKPI設定と改善を進めるための基本的なステップをまとめます。

  1. コンテンツの目的を再確認する: そのブログ記事は認知目的なのか、集客目的なのか。LPは具体的な問い合わせ獲得が目的なのか、資料請求なのか。動画は何を一番伝えたいのか。まずはコンテンツ単体の、そしてサイト全体の目標における役割を明確にしましょう。
  2. 目的に合ったKPIを選定する: 前述の各コンテンツタイプ別KPI例を参考に、設定した目的に対して適切な指標を選びます。すべての指標を追う必要はありません。優先順位をつけましょう。
  3. 測定環境を整える: Google Analyticsをはじめとするアクセス解析ツールや、動画プラットフォームの分析機能などを活用し、選定したKPIが測定できる状態になっているか確認します。必要に応じて、目標設定やイベントトラッキングなどの設定を行います。
  4. 定期的にKPIを確認・分析する: 設定したKPIを定期的にチェックします。目標に対して現状はどうなのか、他の期間と比較してどう変化したのかなどを分析します。
  5. 分析結果から課題と改善策を見つける: なぜKPIが目標に達しないのか、あるいはなぜ目標を達成できたのかを深く掘り下げて考えます。「PVは多いのに滞在時間が短いのはなぜか?」「LPの離脱率が高い箇所はどこか?」「動画の視聴維持率が急落するのはどの時点か?」など、具体的な課題特定に努めます。課題が見つかれば、それに対する具体的な改善策(例:ブログ記事の導入部を改善する、LPのCTAデザインを変更する、動画の構成を見直す)を検討します。
  6. 改善策を実行し、再度効果を測定する: 実施した改善策がKPIにどのような影響を与えたかを確認します。このPDCAサイクルを回し続けることが、コンテンツの成果を最大化するためには不可欠です。

コンテンツタイプ別に適切なKPIを設定し、それを基に分析・改善を行うことは、漫然とコンテンツを作成するのではなく、データに基づいた効果的なコンテンツマーケティングを進める上で非常に重要です。

ぜひこの記事を参考に、ご自身の担当するコンテンツのKPI設定を見直し、日々の業務に活かしていただければ幸いです。「コンテンツKPI改善ラボ」では、他にもKPI設定や分析に関する様々な情報を発信していますので、ぜひ他の記事もご覧ください。